小さな子の子育て中やある程度子供が成長した時に転職を考えるままは少なくないと思います。
「できることなら子育てに専念したい」と専業主婦として頑張っているママもたくさんいると思いますが、物価上昇が続いている現在、少しでも働いて家計を助けようと外で働いて頑張っているママもたくさんいます。
どちらにせよ子育ての大変さはやってみないことにはわかりません。
人間を育てていくんですからそれはそれは大変な毎日です。
2024年から制度が変わり、今まで払っていなかった人も条件により「社会保険の加入」が義務化されるようになりました。
保険料が引かれるようになると年収によっては今までもらっていた手取り額より減ってしまう可能性も。
「せっかく頑張って働いているのに・・・」と転職や働き方を考えなおすママも少なくないでしょう。
そんな中でも選ぶ人の多くが「わたしにもできる仕事なのかな?」と考えたことがあるのが介護のお仕事。
実際の現場はどんな感じで、子育て中のママにとって介護のお仕事を選ぶメリットやデメリットは何なのか介護士として働いているわたしの経験からお話したいと思います。
介護士ってどんなことをするの?
みなさんの想像されている通り高齢者の介助をするのが介護士のお仕事ですが、働く場所によって内容はさまざま。
わたしは「特別養護老人ホーム」というところで働いていますが、ほとんどの利用者様が自分一人で何かをすることができません。
日常生活全てにおいて介護士の補助が必要になりますが、それ以外にも「デイサービス」は多くの利用者様が自分のことを一人でこなすことができるので介護士が「補助」という形で利用者様と接します。
わたしが働いている施設の日勤帯の仕事内容はだいたい以下のようになります。
- 体温(37.5度以上の場合は出勤停止)
- 朝礼
- お風呂の準備(当番の人)
- 排泄介助(おむつ交換&トイレ介助※介護士2人で利用者さんを抱えながらトイレ介助を行います)
- 臥床介助(ベッドに横になること)
- 水分準備(10時)
- 離床介助(ベッドから起きること)
- 食事介助(おやつや栄養補助食品等)
- 排泄介助(トイレ介助)
- 臥床介助(ベッドに横になること)※利用者さんによる
- 排泄介助(おむつ交換)
- 水分準備(昼食)
- 離床介助(ベッドから起きること)
- 食事介助(※自分で食べられない人は食べさせる)
- 歯磨き・義歯(入歯)洗浄
- 排泄介助(トイレ介助)
- 臥床介助(ベッドに横になること)
- 排泄介助(おむつ交換)
- 水分準備(15時)
- 離床介助(ベッドから起きること)
- 食事介助(おやつや栄養補助食品等)
- 排泄介助(トイレ介助)
- 臥床介助(ベッドに横になること)※利用者さんによる
- 水分準備(夕食)
- 離床介助(ベッドから起きること)
- 食事介助(※自分で食べられない人は食べさせる)
ここまでが日勤の仕事で、途中に散歩やレクレーション、洗濯やお風呂などがあります。
利用者さんはおむつや介護パンツを利用していますが、尿漏れなどがあることも多いので、その場合は着替えやベッドシーツ等の交換も行います。
基本的に自力で便の輩出ができない人が多いので、下剤や座薬などで排便を促し、看護師が便を出す摘便などもあります。
便で汚染した場合は尿で汚染した時同様、着替えやベッドシーツ等の交換を行います。
わたしの施設では基本的に10人の利用者さんに対して1~2人でこの仕事を行います。(介護士の休みなどで日によるため)
食事介助は利用者さんによって違いますが、15~30分(1人)なので、3人の利用者さんの食事介助を介護士1人で行う場合は1時間以上かかることも。
相手は人なのでわたしたち同様、日によって気分も違います。
機嫌のいい日もあれば悪い日もあり、認知症などの病気で職員に暴力をふるう利用者様もいて職員が怪我することも。
介護職員はそういったこともひっくるめて仕事として働いているんです。
ですが、これは施設によって受け入れする利用者様の違いがあるのですべてがこの通りということではありません。
どうして介護士を選んだのか
長男が1歳のときに保育園に預けるために仕事探しを始めました。
職業安定所から勧められて紹介された障害者施設に面接に行ったことが最初のきっかけです。
その障害者施設は入所のため、24時間体制で職員がいる場所でした。
勤務時間の相談にのってくれるという話だったので面接に行きましたが、お休みはシフト制で勤務時間も3交代制でした。
1歳の子供がいるわたしには子供といられる時間を削ってまで仕事に専念するという選択肢がなかったためお断りをしましたが、施設の方はすごくいい方で「お子さんの手がかからないようになったらぜひまた検討をお願いします。お待ちしてますね」と言ってくださり、自分が必要とされている感がすごく心に響いたんですよね。
「誰かを助ける仕事がしたい」ずっとそう思っていました。
また、わたしの母は介護士でしたが施設での特定の職員からいじめや嫌がらせがひどく自死を選んでしまいました。
母は身体も弱く病気がちだったのですが、生活していくための安定感を求めて介護士になりました。
母が残した遺書や周囲への相談した痕跡などをたどってみましたが、結局解決方法がないまま時間だけが経過していたんですよね。
今でもいじめや嫌がらせに悩んでいる人はたくさんいると思いますが「一人で悩まないで相談」というところで相談しても解決策は見つからないこともあるんです。
人間の言葉や行動もナイフや銃と同じ凶器なんですよね。
母がしていた介護士の仕事とはどういうものなのかを実際に経験するために入ったことも理由のひとつです。
介護の資格なし、未経験でも働ける?
少し前までは経験や最低限の資格は必須項目だったことは間違いないと思います。
わたしは7年前に転職を考えていて、派遣会社から今働いているところに面接をお願いしたことがありますが、そのときは「経験がなくても初任者研修を持っているか、資格はないけど半年ほどの経験があるかどちらかがないと無理です」とお断りされてしまいました。
当時は派遣会社からも初任者研修を取ることを勧められましたが、現在はネット検索でも「資格・経験なしでもOK」と記載されていることも多いです。
はたらき始めたときにどちらももっていなかったですが、以前お断りされた施設で社員として働くことができています。
しゃもは特別養護老人ホームで働いていますが、介護士として働くときは自分の生活に合わせて働く選択肢もあります。
✅デイサービス |
✅ショートステイ |
✅介護老人保健施設 |
✅有料老人ホーム |
✅特別養護老人ホーム |
✅認知症グループホーム |
✅サービス付き高齢者住宅 |
✅訪問介護事業所 |
✅デイサービス
基本的に日中だけのお仕事で、土日祝日はお休みというところも多いです。
専任のドライバーさんがいることもありますが、施設によってはデイサービスの介護職員さんが利用者さんの送迎をすることも。
利用者さんが比較的自分で歩いたり食事をしたりできるので、体操やレクリエーション、食事やトイレなど移動中に転倒したりしないように介助します。
✅ショートステイ
ショートステイは1ヵ月以内を目安とした短期入所です。
施設にお泊りするので、24時間交代で職員が勤務しています。
ご家族の都合で自宅に利用者さんを一人にしておけない場合などで入所されます。
特別養護老人ホームや有料老人ホームと同じ施設に併用されていることが多く、介護職員は基本、遅番や夜勤を含めた交代制で勤務になります。
✅介護老人保健施設
老健と呼ばれるこの施設は在宅復帰を目指す利用者さんが入所しています。
基本は3か月ほどの入所で、自宅に戻れるようにリハビリなどを行います。
医師が常駐していることもあり、医療体制は手厚くなっています。
ですが、在宅復帰の環境が整わず、現在は長期入所する利用者さんが増えていることも現実です。
✅有料老人ホーム
民間が運営する宿泊型の介護施設で、自分で自立できる人や介護が必要な人まで入所できる人はさまざまですが、特別養護老人ホームと違い、比較的入所者さんの自立度が高いことが多いです。
利用者さんが高齢の方が多いため、食事や排せつ、入浴などの介助を行います。
24時間稼働しているので社員は交代制勤務になりますが、パートやアルバイトなど日勤のみで働けることもあります。
✅特別養護老人ホーム
基本的に要介護3以上の人しか入所できないという制限があり、生活支援や身体介護を中心的に行います。
食事や排せつ、入浴や臥床(ベッドに寝ること)、離床(ベッドから起きること)などすべてにおいて介助が必要になります。
入所期間が設けられていないため、終身利用者が多いこともあり介護職員が看取ることもあります。
利用者さんの身の回りの生活ををすべてこなすため、24時間交代で職員が働いています。
土日祝日、長期休暇なども交代制勤務のためお休みを取ることは難しくなります。
✅認知症グループホーム
認知症高齢者の利用者さんがメインとなっている宿泊型の入所施設です。
少人数でユニットを組んで生活空間を配置しています。
認知症の進行を遅らせるために、専任の介護士がサポートしながら利用者さんができることを協力して一緒に行います。
こちらも24時間体制のため4交代制(早番・日勤・遅番・夜勤)が一般的です。
✅サービス付き高齢者住宅
自立した高齢者が入居することができる施設です。
ほとんど自分でできる利用者さんのため、介護を必要とすることはあまりないです。
お部屋にキッチンやトイレ、よくしつなどが備わっているためアパートやマンションのような生活に近い感じです。
生活相談員のスタッフが常勤するため、無資格・未経験でも働くことができます。
介護型ではない限り利用者さんの介護をすることはありませんが、24時間職員が常駐していることが多いので、交代制勤務になるのかを確認する必要があります。
✅訪問介護事業所
訪問介護ホームヘルパーと言われ、高齢者や障害者の自宅を訪問して日常生活の手助けをする仕事です。
利用者さんが日常生活に不便を感じることを手助けします。(ゴミ出しや買い物など)
ホームヘルパーは介護職員初任者研修以上の資格が必要になります。
仕事は日勤帯がほとんどで、夜間は比較的利用者さんの自宅に行かなくてはいけないことは少ないですが、長期休暇や年末年始など休みがとりにくくなるかもしれません。
子育て中のパパママが働くには
わたし個人の意見として、小さいお子さんを育てているパパママが正社員として働くのは正直なとことても大変だなと感じます。
わたしの職場にはパートさんで日勤帯のみ、土日はお休みというママが働いていますが、子供が病気になって当日お休みすることもよくあります。
誰かが当日休みになってしまうと他の職員の負担はかなり倍増します。
わたしの職場で正社員として働いている人は、まだ結婚していない若い人か子育てが終了した40代半ば以降の人しかいません。
シフトが1ヵ月単位で決定するため、休みがとりづらく希望休も2回しかありません。
また、特別養護老人ホームの場合はかなりの重労働のため、腰を痛める人も少なくありません。
子育てもかなりの重労働です。(わたしの意見です)
子育てはパパとママの共同作業です。
片方が仕事で忙しく時間が取れなくなると、わかっていてもイライラするもんです。
夫婦円満で子育てをするなら片方の勤務時間帯や休日に合わせて仕事を選ぶことを心掛けてみるといいかもしれません。
子育て中に介護の仕事を選ぶなら日勤帯で働けて、土日休みが比較的とりやすいデイサービスがおすすめです。
給料はどれくらい?
施設によって給料に差はあるのは当たり前の事かもしれませんが、わたしの給料明細の中身とそんなに変わらないかもしれません。
わたしの10月の給料明細をお見せします。
どうですか?「たくさんもらってるじゃん!」と思いましたか?
わたしの10月のシフトですが、夜勤5日・早出2日・遅出1日・日勤8日でした。
ここに夜勤明けの5日がプラスされて21日勤務となります。
お休みはシフト制、希望のお休みは1ヵ月に2回と決められています。
わたしは資格を持っていないので手当はつきませんが、持っていると5000円~20000円までの範囲で手当てがつきます。
現在介護士が不足している施設が多く、働いている介護士さんの負担はかなり多いのが実情です。
もう少し高くてもいいのになと思いますが、介護士だけではなく、看護師や医者、救急・消防隊員や警察官など24時間365日勤務の仕事をしている人はたくさんいます。
選ぶときには自分の生活に合わせた働き方と給料なのかを探してみてください。
1番大事なのは自分の身体や心が壊れないことです。
仕事を探すなら転職サイト
介護職専門の転職サイトがたくさんありますが、子育て中のママにおすすめな働き方は正社員ではなくパートや派遣社員。
パートなら働く時間を決めることができ、ある程度収入があるなら社会保険に入れてもらうこともできます。
また、派遣社員なら担当者がついてくれることが多いので会社への要望も直接話す必要がなく、派遣会社の担当者に相談できます。
派遣会社なら「日勤のみ」「土日祝日休み」など自分の働き方にあった職場を探してくれるのもありがたいです。
わたしは正社員で働いているので4交代制の時間勤務です。
土日祝日もほとんど仕事で、17:30まで働いて次の日のシフトは6:00からなんてこともざらにあります。
そのてん、派遣会社は決められた働き方で契約してくれるので「突然無理なシフトを組まれた」なんてことはありません。
小さなお子さんを育てているときはもう少し時間に余裕がある働き方をした方がママにとって心の負担も少しは軽くなります。
介護の仕事に興味があるなら派遣会社に登録してみてはいかがでしょうか。
まとめ
介護の現場はとてもハードで身体だけではなく心も同時に弱ってきます。
認知症の利用者様の場合は本人が自覚しているわけではないので、職員が話しても行動してもらえないことの方が多いです。
また介護という仕事柄、職員同士でも考え方に違いがあって分かり合えないということも。
仲良く働ける職場もたくさんあると思うので、見学に行ったり書き込みで元職員の口コミなどを参考にしてみるのも必要です。
介護職は悪いことばかりではありません。
人に寄り添い、利用者様やその家族を思って働くことでやりがいを感じられることもたくさんあります。
介護の仕事に就くなら高齢者施設だけではなく障害者施設や病院の看護補助などもあります。
資格がなくても働ける施設は多くなっていて、働きながら資格を取らせてくれる派遣会社もあります。(資格取得の費用は全額派遣会社が負担してくれることも)
スキルアップすれば給料に反映されることも多いのでそういったことも探すときに重要項目として入れておくといいかもしれません。
ちなみに全く経験がないわたしの場合、
全ての仕事を一人でできるまでにかかった期間は約2ヵ月でした。